Sinful Blue

『MOON』-昴 ソリチュード スタンディング- 曽田正人

Filed under: 一般 — よしけん。 at 7:49 pm on 火曜日, 8月 7, 2007

うおー、昴が再開してる! 今週のビックコミックスピリッツからですよ!
スラムダンクの「第一部完」みたいなもんで、もう再開は無いと思ってたのに。
読んだことない人はいますぐ全巻揃えるべきです。
親切にも広告リンク張っておくぜ。hehe

内容は「バレエ版ガラスの仮面」といったところでしょうか。
主人公の狂気じみた天才さも凄まじいんだけど、登場人物達のバレエに対する情熱がこれまた凄い。
連載時、リアルタイムで読んでたんだけども、自分の考え方に影響を与えたシーンが盛りだくさん。

「満員の観衆の前、”今日は神が降りてきませんでした。”と言ってあなたは謝るというのですか?
 世界のトップは、最高のパフォーマンスに”再現性”を持っている」
(3巻第32話「神が降りる瞬間」より)

一年に一回あるか無いかだけども、神が降りてきたような至福のダンスを踊れるときがある。
そういった言葉に対し、コーチがたしなめたセリフ。
自分も仕事のときに「今日作ったものは普段よりデキが悪い。」なんて言っているうちは、プロじゃないんだろうなと感じます。
いつも最高のものを作り、いつもその再現ができる。それを目指して時々このシーンを思い返します。

花は何も語りはしない。ただそこにあるだけで、その美しさが人の心を震わすのだ。
舞踏も同じことさ、プリシラ。
言語と違って、見る者のエモーションを直接刺激できる。

私はね、考えるんだ。
NASAのパイロットでもない。学者でもない。ましてや政治家などでも。
もし将来、人類が宇宙人と接触したときに、最初に彼らと通じ合えるのはバレリーナではないだろうか。
(7巻第77話「ミッドサマーナイツドリーム」より)

この曽田節がたまんねー。このどこまでも広がるハッタリ。
そしてそれに説得力を持たせる人物の表情と気迫。
確かに心動かすものを観たときって、「美しい」とか「凄い」と言語化される前に、何か魂が揺さぶられるような衝撃を感じるよね。

“ロミオとジュリエット”のジュリエットを私が!?

私は試されている。
このチャンスを逃せば、次は5年後か、10年後…
いや、二度と巡ってこないかもしれない!!

「やります! 振り付けは…、か…か…完璧に覚えてるわ。私できます。」
(8巻第83話「夢中の人」より)

プリシラが若いとき、まだ駆け出しだった頃。
主役が負傷してしまったので、代役を頼まれた時のシーンです。
もちろん頼まれた役の振り付けなんて、全く覚えてないんだけども、「このチャンスを逃せば後はない」とばかりに、「完璧にできます」と応えるのが鳥肌立つ。
自分も大きな仕事を任されそうになったときは、このシーンを鮮明に思い出すんだよね。
できる仕事かどうか全く分からないんだけども、今までの積み重ねとか色々なことを信じて、とにかく「できます」と応える。

ざっと読み返してみたら、やっぱり主人公の昴よりプリシラの方が好きだなあ。
この前、マドンナのPVドキュメンタリを観て、曲間に「早く歌わせて!」と暴れる彼女を見て、現実にプリシラが居たらこんな感じなのかなーとふと思ってしまいました。

色々抜粋してると、全巻全話を語り始めそうなのでここらへんで中断。
とにかく読んだことない人は、すぐ読むべし。