電車男
男達が後ろから撃たれるスレ 衛生兵を呼べ
これを読んだのはいつのことですかね。
電車男に限らず、他の方のエピソードにも涙したものです。
ネット上のやり取りがまとめサイトで読み物になり、そして書籍化し、映画へ。
今回はその映画を観てきましたよ。
実を言いますとね、微塵も期待してませんでした。
「まあ、観たっていうだけでネタになるだろ」と思って観に行ったんです。
そしたら意外に面白くまとまっていてびっくり。心外。
元々のやり取りの面白さってのは、見ず知らずの人たちの交流や、掛け合い、当人が感知しないところでの勝手な盛り上がり。そこにあるんだよね。
それを映像化なんてできるの? そう思ってました。
ところが、非常に良くまとまっていましたね。
エピソードの繋げ方も上手いし、何よりも「書き込み」の雰囲気の出し方がとても良くできてる。
文字だけで出すのか、文字と読み上げる声を同時に出すのか、声だけで出すのか、一つ一つの書き込みに対し何度も試行錯誤したそうです。
(*゚∀゚)=3 ムッハー なんて文字が躍る映像なんて、前代未聞です。
書き込みの雰囲気の次に心配だったのは、元のお話でいわゆる「名場面」とされるシーンの描き方かな。
最近の良くあるドラマみたいに「ここで泣け」ってやたらと盛り上げる演出は、ハッキリ言ってあまり好みじゃないんですよね。
そんなくどい見せ方になってたらどうしようとか思っていたのですが、これも杞憂に終わりました。
元の話を知っていると、「もう少し強調しろよ」と思ってしまう人もいるでしょうけど、自分はあれくらいが丁度いいと思いました。
元の話を知らないで観ていたら、きっと印象に残る場面になっているでしょうね。そんな上手い見せ方です。
主人公の電車男を演じる山田孝之も良かったですね。
目の合わせ方、しゃべり方、感情の出し方、どれも感心しました。
特に「脱秋葉系」を計って格好いい服装になるのですが、「着こなせていない」って雰囲気をキッチリ出せているのには驚きました。あれって難しいと思うんすよね。
対するエルメス役の中谷美紀の方は、あまり大きな表情やセリフが無いので、ちょっと地味な印象でしたかね。
でも、中盤以降の微妙な表情の出し方は「やっぱ流石だわー」とため息が出ました。
あのパンフレットを読むシーンなんか最高だと思うんだけど、どうよ。
最近、涙腺が弱いんですかね。
後半の雨のシーンあたりから、涙がぼろぼろ止まりませんでした。
「おいおい、なんで雨降るんだよ」と冷静に演出をツッコミながらも、涙が止まらない。
なんて言うのかな。最近の恋愛ものって、やたら綺麗なものが多くないですか?
すれ違いや感情のぶつかり合いは描けていても、なんだか綺麗というか格好良いというか…。
でも、この電車男の振る舞いは、一つも格好良くないんですよね。
恋愛に必死。必死すぎて格好悪い。
でも恋愛なんて元々格好悪いもんじゃないの?
拒絶されるのが怖いとか、自分の想いを上手く伝えられるかどうかわからないとか、たった一つの間違いが全てをダメにするんじゃないかとか。
そういう初々しさというか青さというか、そういった部分に共感してしまったのか、ほんとラストでは「良かったね~」とうれし涙でした。
こういうお話って、男側の思いはきっちり描かれてるけど、女側の気持ちって適当な描かれ方が多いですよね。
告白したら何だか良く分からないけど「私も好きだったの!!」みたいにOKもらう少年誌漫画的展開。
でもそこもちゃんと対策されていたのは良かったかな。
ほんのちょっとの表情と独白とで描かれていただけですけど、自分には充分でした。
なんだかべた褒めなんだけど、一つ残念だったのは、戦場のシーンかなあ。
元の話とか事情が分からないと、何なのかさっぱりわからないシーンだと思うんだけど、どうですかね。
プラトーンには笑ったけど。
ちなみに、エンドロール後にもちょっと話があるので見逃さないように。
元の話を知っていると、映画を観ている最中に「あれ?あのシーンはカットしたのかな?」と思う場面があるのですが、そこを上手く利用してました。
ああいう手法をあまり観たこと無かったので、新鮮で良かったですね。
そういえばこれってドラマ化するみたいですね。
全く見るつもりなかったのですが、ちょっとチェックしてみようと思います。